身も蓋もなく言うと葛藤とはつまり
不倫相手との別れ話についてオットの説明が二転三転しました。
その危うさは、私にまた疑念を抱かせます。
二度目の「トライアル行為」は土曜日でしたが、
その前日の金曜日に、はっきりしないオットの話が私をいらだたせ
醜い行動へと走らせました。
先ずはオットを責めます。
思っていることを伝えたいだけなのに、
私のその行為は、相手には攻めてるようにしか見えないのです。
言ってることが、コロコロかわったり
言葉があやふやになるのは、真実をそのまま述べていなからだ、
実際にあったことをそのまま話していたら、
そんなに言葉に困ることはないだろう。
ましてや、電話で話したのか、職場で触接話したのか、
2,3日前のことを、しかも、そんな大切なことを言い間違うわけがない。
ウソをつくような事情があるなら、
それを私に話すことができないなら、
こんな無意味な「再構築」など試みることなく
すぐに離婚に向けて話し合ったらいい。
今回の浮気だけではなく、これまでのことも含めて
全部にむきあって、お互いを見つめなおす
大切な期間に、ウソがあっては意味がない。
私の言葉に
オットはひたすら、うなづいていました。
オットが黙って私の言うことにうなずくということは、
私を拒んでいることを意味しています。
受け入れているときは、少なくとも私が一方的に話す状態にはなりません。
関係改善と言っておきながら、
ウソをつき、その釈明にも誠意をみせず、最後は黙る。
本当に浮気を反省しているのか、
それとも、
まだ、浮気は終わっていないのか。
私「相手の電話番号教えて。」
オット「え?」
私「本当に私とやり直すつもりやったら、
なんで、相手の連絡先を私に内緒にする必要があるの?
もうウソとか内緒とかはやめるんちゃうの?」
オット「あ、うん?」
そりゃ、内緒にするだろう!(心の中で自分につっこむ)
でも気の弱いオットは、こういう空気が苦手で、
ここから逃げるためには、愛しの浮気相手なんか簡単にうるのです。
オット「いいんだけど、番号覚えてなくって。」
無駄な抵抗にでましたよ。
オット「電話帳に残さず、毎回番号おして電話してたんだけど
しばらくかけてないから、忘れてしまってる。」
私「別にその方に電話をしてどうこう言うつもりはないんやで。
あんたがまだ秘密を持ってるのがイヤやんか。」
オット「う~ん、覚えてるかな、間違ってるかもしれないけど、、、
090の…」
思った通り、あっさりはきました。
オットは番号を口にしながら、自分のスマホでその番号をおしていきます。
「間違ってるかな。しばらくかけてないから、自信ないけど。」
これを読んでる皆さんはすでに
私がきつい女であることに気付いていらっしゃるでしょうが、
きっとそれよりも、この時点でオットがバレバレなウソを
もっともらしい顔をして、
とぼけたおす性格が気になっていらっしゃるでしょう。
間違ってるかな、とか、覚えてない、とか言いながら
オットの中では
「どうしよう。番号をヨメにばらしたらややこしいな。
でも、間違った番号を教えたりしたら、死ぬまで責められるだろう。」と
そんな葛藤のなか、ダイヤルしていたはずです。
私はオットのこういうところが嫌いで、大いにイラつき
最後の番号を押したところで、
オットの手からスマホを取ると、
発信ボタンを押しました。
その瞬間、オットと二人、目を見開いて、
「発信中」の文字を見つめました。
心の中では、
ひゃ~ぁぁ!とんでもないことをやっちまった!
とでも言いたいくらい、
自分で行動したことに対して慌て、ふためきました。
浮気相手と話すつもりなど、さらさらありませんでしたし、
そんなことしたら、傷が深くなることも承知していましたから。
2度目のコールが終わったくらいで
相手が応答する気配がありました。
何をどうすればいいのかわからないまま、
不倫相手とつながったオットのスマホに耳をあてました。
「うぅぅ~ん」
あまえるように甘ったるい声が、聞こえてきました。
いかにもベッドなかにいてまどろんでいる姿が伝わってくる声です。
……
そのまま、何も言わずにスマホの通話を切りました。
そして、相手の番号が表示されたスマホの画面を、
オットの目の前で、私のスマホで撮影しました。
オットは黙って見守っていました。
「別れた男からかかってきた電話に、ずいぶん甘えた声ででるんやな。」
と私が言うと
オットは「眠たかったんじゃないの。」と言いました。
金曜日の11時の話です。
可愛い声を出して甘えて電話に出た女の様子は、
どう考えても別れたばかりの愛人の電話への応答とは思えません。
本当に別れたのだろうか。
夫婦関係再構築を決めた夜から四日目の夜、
私のなかに猜疑心が芽生えました。
はじめての葛藤