楽天市場葛藤専門店
有難うございます。
支えてくださっているチームの方々が、その本を通じて、知って欲しいことがあるのだと思います。
読んで見ては如何でしょうか。
ささっ、本文を読んでくださいませ。
随分と前のことなのですが、私は、ある大女優さんの会見に、とても衝撃を受けたことがあります。
それは、ご子息が、法に触れることをなさり、罪に問われるとなった時、「私は、息子には、お母さんと一緒に、世間を見返してやろうと、話しました」と、ご発言なさったからです。
私は、その女優さんの映画、ドラマが好きでした。
今まで拝見した作品の中で、心熱くなる名台詞が幾つもありましたが、この会見を機に、この方の名台詞は、これなんだと、一番心に残っています。
「世間を見返す」ということは、今一度、世間(=周り)を見て、振り返り、考えるということもありますが、「見返してやろう」というのですから、悔しい気持ちを晴らすということなのだろうと思いました。
ですが、その女優さんのことは知っていても、ご子息の事は、存じ上げません。
それが、突然、「見返してやろう」と言われても、「こちらが、何をしたと言うの?」との気持ちにしか、なりませんでした。
この言葉を発した意味は、「お母さんが、貴方のことを、周りから、守ってあげる」ということを、息子さんに伝えたかったのだろうと思いますが、それと同時に、ご自分が、「これは、駄目なの!」と、強く叱れない弱さを、ご本人が仰る「世間」に、転嫁なさったのではないかと思いました。
子供は、家に生まれ、大切にされていても、幼稚園、学校と、同じく大切にされた人と、出会い、家での特別意識が通用せず、戸惑い、協調性を教えられ、葛藤し、泣きながら、その中に、自分を見つけていくのだと思います。
親は、いつまでも、子供の傍に、居られるわけではありません。
いつの日か、ご自分が傍に居られなくなった時、そのお子さんを支えていくのは、周りです。
その周りを、最初から、見くびってしまえば、お子さんが手を伸ばし、導いて貰える場所は無くなると思います。
「ルールがあるのよ」と教え、「ベースのルールだけ、守っていたら、後は、貴方の好きに、やりなさい」で、良いのではないかと思います。
そのベースのルールを、教えずに、事が起こってから、「守ってあげる」というのは、親の逃げです。
ルール違反をして、子供を庇えば、子供は、それが世間のルールなのだと、認識します。
ですので、その方のご子息は、法に触れたかどうかは存じませんが、疑惑を持たれることを重ねていらっしゃいました。
私は、学生時代、素行が良くありませんでした。
飲酒、喫煙、大人の社交場への出入り、父には内緒で、免許を取り、バイクにも乗っていました。
事故を起こしてしまった時、「お前はー!黙ってりゃ、いい気になりやがって」と、引っぱたかれ、服を掴まれ、廊下を引き摺られ、玄関の三和土に落とされました。
「お前に、親の心痛が分かるのか!夜中に、家の鍵が開く音を聞かなければ、安心して眠れない、親の心が、お前には、分かっているのか!これ以上のことをするんだったら、パパは、お前の葬式を出す覚悟を持つ。パパより、先に死んだ方が良い」と、言われ、「死んだ方が良い」なんて、親のいう言葉かと思いました。
ですが、父の身体は震えていて、唇も震えていて、目から涙が溢れていて、もっと、殴りたいだろう手を抑えていて、今でも、あの時の光景は、目に焼き付いています。
その後、父は、「やんちゃ、今、勝手なことをしていて、気分が良いのかもしれない。人の気持ちも考えずにいて、それで良いのかもしれない。だけど、お前が起こしたことによっては、誰も、お前の味方にはなってくれない。お前が死んでも、誰も、お前のことを、惜しい人を失くしたとは思わない。でも、パパだったら、お前を娘として、『うちの娘です』と言える。やんちゃは、どうなの?やんちゃにとって、パパは、何なの?うるさいだけの人なの?叩いたら嫌いなの?怒ったら、話したくもなくなるの?家の中で済む話と、済まない話がある。パパ、やんちゃには、良い子でなくとも、元気でいて欲しい。それと、人の心を少しだけでも、感じられる人であって欲しい」と言っていましたが、私は、余りの怖さに、玄関の傘立てを、ずっと握っていました。
ただ、振り返って、思うことがあります。
あの時の、父の勢いというものは、親の心、そのものだったのだと思います。
逃げない覚悟と、逃がさない心で、話してくれたことで、私は、父が言っていた「やんちゃの葬式は、パパがする」ではなく、父の葬式が出来て良かったと思います。
そして、今も、父は、時々ですが、私に話しかけてくれます。
親が逃げなければ、子供も、逃げ場を失い、この世を生きる覚悟がつくのだと思います。
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発売日:2016/02/20
出版社:KADOKAWA