村上春樹風に語る明け方

明け方

奢る明け方は久しからず

品のある明け方

●火事を予知する少年  
これは今から20年以上前の出来事である。  
当時、私は電話相談と会社員の掛け持ちをしていた時期で、  電話占い一本では食べていけないという時期だった。  ただ収入は会社員として働いていて安定していたので、  占いで儲けようという気持ちは無かった。  だから、占いは好きでやっていたと言った方が当っているかもしれない。  そんな訳で、摩訶不思議な霊的な現象や、不思議な話が舞い込むと、  それを解明したくて、近場なら無料で出かけて行ったものである。    そんな頃出会ったのが、今日のこの事案「火事を予知する少年」だった。  
当初の電話相談では、ご主人の悩みが主だったのだが、  その問題が一段落すると、5歳になる息子さんの話をしてきたのである。  彼女いわく、  半年前に引っ越して来たという、現在のアパートが気になるのだと言う。  私が「どんな所が気になるのですか?」と聞くと、  
このアパートに引っ越して来てから、  5歳になる息子が、近くで起きる火事を予知するのだと言うのだ。  
ここに引越して来る前は、神奈川県にあるアパート2ヵ所ほどに住んでいたそうなのだが、  そのどちらのアパートでも、息子がそんな予言をした事は無かったという。  つまり、息子は今住んでいるアパートに引っ越して来た瞬間に、  霊能力に目覚めたのか、もしくは、  このアパートに何か原因があるんじゃないかと言うのです。  と言うのは、息子さんがまだ2歳頃、  誰も居ない所を指差してお姉さんが居るとか言った事があったという。   確かに。  引っ越して来る前の2つのアパートでは、息子さんはまったく予知などしなかったと言うので、  原因はこのアパートにあるとまず疑うのは、私も同じである。  
だとしたら、いったい、そのアパートに何があるというのだろうか。  
電話相談では、そこまでは分からないので、  まずは、息子さんが予知したという火事の事を詳しく聞く事にした。  
息子さんが最初に火事を予知したのは、  このアパートに引っ越して来てから10日目の事だったと言う。  皿洗いも終わり、21時頃だったと思います。  主人と居間でテレビを見ている時でした。  急に息子が起きて来て、  「何、何、ママ、何かあったの? 怖いよう。」  と、言いながら居間に駆け込んで来たのです。  私が「なーに? 怖い夢でも見たの?」と頭を撫でてやってると、  急に外が騒がしくなったのです。  前の通りに消防車が、けたたましくサイレンを鳴らして通り過ぎて、  そんなに遠く無い所で止まった様でした。  主人が「近いぞ!」と言って、ベランダに出て行きました。  続いて私と息子がベランダに出ると、500m位離れた場所が火事になっていて、  消火作業が行われていました。  
後から考えると、これが息子の最初の火事の予知だったのです。   
2度目の予知は、  それから約2ヵ月経った頃でした。    やはり夜中の11時頃だったと思います。  主人と居間でテレビを見ていると、息子が、  「ママ、どこが火事?」と言いながら居間に入って来たのです。   「何寝ぼけてるの。火事なんて起きてないわよ。トイレ?」  当時、テレビはつけていましたが、  消防車や救急車のサイレンらしき音は、まったく聞こえませんでした。   
ところが、  それからものの2・3分経った頃でしょうか。  急に外が騒がしくなったのです。  消防車のサイレンの音が聞こえ始め、それも1台では無い様でした。  私達は急いで、カーテンを開け、ベランダに出ました。  火事がこのアパートだったらヤバいと思ったからです。   
しかし、幸いな事に火事はココでは無く、  ココから500m位は離れた場所での火事でした。  ベランダから見ると、斜め右下の方に火の手が見えました。   
この時は、火事に気を取られていて、気がつきませんでしたが、  後から考えると、  どうしてこの時、息子がこの火事の事が分かったのか不思議です。  なぜなら、息子が起きて来た時には、サイレンは鳴っていなかったし、  火事の現場も、息子が寝ていた部屋の窓からは、  ベランダが邪魔していて見れない所だったからです。    そして、それから2ヶ月後、  息子の3度目の火事の予知があったのです。   今度は明け方の3時頃だっという。  息子が「ママ、ママ、起きて! 火事だよ。」と私を起こしたのです。   今度は真夜中ですから、テレビもつけてませんし、  外もシーンと静まりかえっています。   耳を澄ましても、サイレンの1つも聞こえません。  今度はさすがに間違いか、悪い夢を見たのだろうと思いました。   しかし、2分位経った時でした。   あの消防車のサイレンの音が聞こえ始めたのです。  しかも、今度の火事はうちの窓やベランダからは見えない反対方向の場所でした。  屋上に上がってみれば見えるでしょうが、息子が一人で見に行くとは考えられず、  また、息子が予言した時点では、サイレンの音はまったく聞こえなかったのです。   
先生、どう思われますか?      私はここまでの話を聞いていても、さっぱり訳が分からなかった。  3度に渡る火事の予知。  たった5歳の子がそれらを予知したと言う。  
いったい、どうやって?   
息子さんは霊能者の卵なのだろうか?  それとも・・・     私は気になったので、彼女に、是非息子さんに会わせて欲しいとお願いした。  そして、後日そのアパートへ行く事になったのである。      この時点で結末が予想できる人は、きっと優れた洞察力の持ち主だろう。  私はまったく分からなかった。       やがて、意外な真相が分かるのである。
後半は、明日のブログに続く。  

[広告] 楽天市場

  • CEP SOCKS/NIGHT RUN SOCKS 2.0【メンズ】 シーイーピーソックス/ナイトランソックス2.0 WP5NZ3
  • CEP SOCKS/NIGHT RUN SOCKS 2.0【レディース】 シーイーピーソックス/ナイトランソックス2.0 WP4NZ3
  • CEP SOCKS/NIGHT RUN SOCKS 2.0【メンズ】 シーイーピーソックス/ナイトランソックス2.0 WP5NY3
  • CEP SOCKS/NIGHT RUN SOCKS 2.0【レディース】 シーイーピーソックス/ナイトランソックス2.0 WP4NX3
  • マニックパニックViolet Night(ヴァイオレットナイト)118ml
  • 【送料無料】 明け方のホルン 西部戦線と英国詩人 大人の本棚 / 草光俊雄 【全集・双書】
関連記事