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※前回の続きです。 泉岳寺ではない、と言うと、元夫が青ざめてこう言いました。 「俺、ちょっとやばいとこにも行った……」 「は? どこに行ったん !?」 「せっかく泉岳寺まで行ったから、このまわりに、他になんかないかな〜、と思って……」 「それで?」 元夫は地図アプリを開いて、「ここに行った」と言います。 見ると、「大石良雄外十六人忠烈の跡」と書かれていました。 大石内蔵助さんを含めた17名が切腹した場所なのだな、と思いましたが、切腹した赤穂義士は泉岳寺のお墓にいますから、その場所に行ったところで、霊がいるわけではありません。 「ここも違うと思うよ?」 「これがその時の写真や」 と、見せられたその写真は、非常に強い「霊気」を発していて……。 見た瞬間に、全身がゾーッとしました。 「大石良雄外十六人忠烈の跡」は中に入れないそうで、門扉が写っているだけだったのですが、明らかに何かがそこにいる、とひと目でわかる霊気なのです。 本人も現場で、思いっきり背筋がゾゾゾーッとしたらしく、「ここは来たらあかんところや!」と思ったそうです。 元夫は泉岳寺に長時間いたため、うす暗くなってから「大石良雄外十六人忠烈の跡」に行っていました。 写真を撮った時刻は、どんよりと暗くなっており、俗に言う、逢魔時(おうまがとき)だったのです。 それは赤穂義士の霊ではなく、全然別の霊でした。 元夫は憑依体質ですから、こういうシチュエーションになると、しっかり霊を拾ってきます。 そしてこの日の夜、金縛りにあってベッドから落とされそうになり、翌日からはひどい湿疹とラップ音に悩まされるのです。 ちなみにラップ音は、毎日、丑三つ時(午前2時)に始まって……午前4時頃まで続いていました。 「夜中の2時に起きて、2時間ばかりガタガタして、明け方にまた寝るみたいやねんな、下の人」と、元夫が不思議がっていましたが、音の正体は霊なので時間的にぴったりだったわけです。 4時からは〝朝〟になるため、霊は音を鳴らせなかったのですね。(強烈に強い霊は昼間でも鳴らせます) 霊障対策として、まず、未使用の熊野本宮大社の〝牛王神符〟(護符)を渡しました。 どこの壁に、どういうふうに貼ればいいのかも言いました。 次に、楠木正成さんの湊川神社で購入した、未開封のお塩も渡し、部屋の中の各場所にまくように指示しました。 お塩で自分の体のあちこちをスリスリと清めることも教え、残ったお塩はお風呂に入れればいいことも言いました。 さらに、寝る前や、やばいなぁと思った時に、成田山新勝寺で覚えたお不動さんの真言を唱えることも言っておきました。 元夫はその通りに実践し、次の日、さっそくうちに来て報告をします。 「昨日は全然、音せんかったわ!」 マンションにいるのは俺1人? と思ったくらい、シーンとしていたそうです。 おかげで朝までぐっすり熟睡できた、と喜んでいました。 痒くて掻きむしって血がにじんだりしていた湿疹も、まったく痒くなく、朝見るとブツブツがほぼ消えていたそうです。 霊現象がすべて消滅していました。 これくらいの対策で退散してくれる霊で良かった〜、とホッとした私でしたが……。 全然良くなかったのですね、これが。 というのは私のマンションで、その日の夜中、バシッ! と、大音量のラップ音が響き渡り……。 それで目が覚めたからです。 ※続きます。
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