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手と手と威圧

おはようございます

CPM養成講座生 Ayaです

とある集まりがありまして。物を作る事と、その後に懇親会があって。お金はかかりません。予定は空いています。

すっごく考えたんだけど不参加にしました。そうしたら、「来ないの?」と聞かれ。「考えたけど楽しくないから参加しない」そう答えた所「場がどうこうではなくてどんな場であれ、楽しむ気があるかどうかでは?」そんな感じの事を言われ。
正直、その集まりには3回ほど参加しました。1回?2回目はう?ん…って感じだったのですが内容を楽しもう!と思って3回目も参加したのですがやっぱり楽しくなかった

理由は一つは自分のスキルが足りない事。他の方は何年もやっているからやる事が早い。私があぁでもないこうでもないと考えている間に6?7割終わっているとか。そうなると、とりあえず完成させるだけだで楽しさも満足感も無い。
もう一つは、苦手な人が居る、という事。良い人なんだろうけど威圧感が半端ないお姉様とめちゃくちゃ怖い元ヤンの女の子。その2人がとにかく苦手

苦手な人を登場させてしまうあたりまだまだ私も青いなと笑ってしまうのですがいつもなら、こういう集まりは乗り気じゃなくても参加するようにしていたので楽しく無いから行かない!という選択を出来たのが良かったなぁ…と。

 少しずつ、自分基準を設けて進んでいきたいです。

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テミン MOVE – The 2nd Album

「Rise (イカロス)」日本語訳
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夜を裂いて僕の窓を叩いてほしい

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弱気になる心の隙間に居続けてほしい

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色を変える空の下

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水平線の向こうの見知らぬ場所に

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胸の中を満たす

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あの光に向かって
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闇の中で出会った太陽よ

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花火のように君は心に咲いた

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もう僕から離れないで

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待ってて
Rise ??? ?? ?? ??
Rise 丘を駆けて風の上で

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両手を大きく広げて Falling

Rise ??? ? ?? ? ???
Rise 全身が燃えて灰になっても

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もっと翼を広げて Flying

Rise
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足跡が残っていない大地の果てで

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僕はただ手を高く差し伸べる

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つかみ取れるように

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これ以上歩いては行けない

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やっと方法がわかったようだ

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燃え上がる熱気の中にこの身を投げるよ
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闇の中で出会った太陽よ

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手を伸ばせば一歩遠ざかる

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僕のために消えないで

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待っててほしい
Rise ??? ?? ?? ??
Rise 丘を駆けて風の上で

? ?? ?? ?? Falling
両手を大きく広げて Falling

Rise ??? ? ?? ? ???
Rise 全身が燃えて灰になっても

??? ? ?? Flying
もっと翼を広げて Flying

Rise

Oh, Rise Woo woo
Oh, Rise Oh, Rise Rise

Rise ??? ???? ??
Rise 風が吹き渡る瞬間

Calling, Calling
Rise ??? ?? ?? ??
Rise 広大な海の上を飛び

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眩しい君の近くに

Rise ??? ? ?? ? ???
Rise 全身が燃えて灰になっても

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力強く翼を広げ

Rise

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夜を過ぎ大きく開かれた

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窓の向こうに
Loverholic Lucifer

# scene 28. 止められるなら愛ではない

「おお、キム・ジョンヒョン、久しぶりだな!」

「ヒョン、お元気でしたか?お忙しいのか電話の一本もくれず」

「俺が忙しいの知ってるだろ?お前の方から電話してくれよ。それより大怪我したわりには顔色いいな」
ははは、そうなんですよ。今まで食べてなかった朝ご飯も毎朝食べてるし、睡眠不足も解消されたしジムにまで通ってるんですよー。

ジョンヒョンはわざとらしく笑った。だが今のジョンヒョンの気分など誰にもわからなかった。
「とりあえず久しぶりに一杯やるか?」

「怪我人に酒勧めるなよ。お前こそ飲んでるか?」

ジニョクの軽口にテーブルの皆が楽しそうに笑った。ジョンヒョンも口元をほころばせたが、皆のように思い切り楽しめなかった。
ジョンヒョンは自分の職業が芸能人であることを久々に実感した。
コンサートの会議で久しぶりに会ったウンジンは髪をオレンジ色に染め、以前よりもっと強烈な雰囲気を醸し出していた。

コンサートの主催者側からおおまかなコンセプトを聞き、ウンジンの方で修正したコンテに目を通したジョンヒョンが特に何も言わずうなずくと、ウンジンが意外そうに聞いた。
『修正したいところないの?』

『あ、はい、大丈夫です。ウンジンさんが全部やってくれてます』

『キム・ジョンヒョンは気難しいって聞いてたから、何度もダメ出しされると覚悟してたのに、意外だったわ。ずいぶん心配したのに』
その瞬間、なぜかジョンヒョンは彼女に一発殴られたような気になった。
久々に会った人々は皆以前よりずっとハンサムだったり美人になったように見えた。まるで自分だけが置いてきぼりにされて、誰もが先を進んでいるように感じた。

ジョンヒョンはようやく自分が最近まったく「芸能人」らしく過ごしてなかったという事実に気がついた。
人々の歓心を買うために自己管理に集中しなければならないあの冷たい競争の世界から離れてみると、いつの間にか何もかもが変わってしまっていた。

人々のヘアスタイルが変わり、顔と体が変わり、歌やダンス、演技の実力も変わった。
ジョンヒョンはファンタジーの世界をさまよい、急に現実に戻ったような不思議な気分がした。
ジョンヒョンは会議を終えると急いでパーティー会場に向かった。
久々に会った事務所の社長は、会場内のVIPルームにジョンヒョンを呼び、心配したぞ、怪我の具合はどうだ、とジョンヒョンには負担になるほどの好意を示した。おかげでジョンヒョンは針のむしろに座らされたような気分で、彼と二人きりで向かい合って座り笑顔を維持しなければならなかった。

社長との面談は30分以上続き、やっと解放されたと思ったら久しぶりに会う会社の人々がジョンヒョンを放っておかなかった。
もちろん皆と会うのは嬉しかったが、今のジョンヒョンには彼らよりもっと大事な問題があった。
「じゃあずっと家にいたの?」

「はい、まあ…ほとんど家にいました。リハビリの運動だけちょっとやったり」

「かなりの大怪我だと聞いたけど、思ったより早い回復ね」

「もう3週間になるんですよ。早くもなく遅くもなくってとこですよ」

「そう?でもそのありさまじゃ最近ちゃんとした食事もとれてないでしょ?たくさん食べて」

ジョンヒョンは事務所の先輩であるユミの好意に笑顔で応え、箸を動かした。

最近ろくに食べてないというのはもちろん嘘だ。キボムがいつも朝食を作ってくれたし、一人ではなく二人でいたからよく活動したし、食事の回数も増えていた。

しかしジョンヒョンは少しでもキボムと関連した話をしたくなかった。
ただ、何もかも彼とジョンヒョンの大切な秘密として残しておきたかった。それ以外の理由はなかった。
ジョンヒョンは急いで皆のテーブルを回ったが、雰囲気はだんだん盛り上がる一方で、抜け出せる隙もなかった。何度も携帯で時間を確認した。
いつの間にか7時を過ぎていた。キボムは半日近く一人でいる。
それも心配だったが、ジョンヒョンはもう本当に時間がないと実感するたびに胸が痛んでたまらなかった。

もう明日だ。家に帰って一晩寝れば…キボムと過ごす、そしてキボムを手放さねばならない最後の日を迎える。恐怖で重くなった心がジョンヒョンを苦しめた。
「ジョンヒョン、誰かの連絡待ってるの?」

「え?」

「ずっと携帯見てるから」

「あ、いや、そういうわけじゃ…」

ジョンヒョンはユミの質問にもごもご答えた。今の気持ちを誰にも知られるわけにはいかず、焦燥だけが募った。
ジョンヒョンはユミに向かって無理して笑顔を作り、とにかくガブガブ水を飲んだ。その時会場のドアが開き、数名のスタッフが入ってきた。

料理のコースが終わ
りデザートが出てくるようだった。皆酒も回り陽気にアイスクリームやケーキを受け取った。
ジョンヒョンは内心やれやれと思っていた。このデザートが終われば場所を移すに違いない。その隙に抜け出そう。
今から急いで家に帰ればそんなに遅くならないはずだ。

望みの糸口をつかんだジョンヒョンは、見るからに甘そうなチョコレートケーキとヨーグルトアイスを眺めていた。その時だった。
「失礼いたします、キム・ジョンヒョン様?」

「え?ええ」

デザートを配っていたスタッフの一人が急にジョンヒョンに呼びかけた。ジョンヒョンはあれこれ考えにふけっていたが、話しかけられた声に驚いて彼女の方に目を向けた。
ジョンヒョンの前にケーキとアイスティーを置きながら言った。
「お客様がお見えですが」
「お客様?僕に?」
「はい」

ジョンヒョンは戸惑った。特に連絡した相手もいないし、この時間にあえて会社のパーティー会場までジョンヒョンを訪ねてくる人物など思い当たらなかった。
「誰ですか?」
「それが…あの、ルシファーとお伝えすればわかるとおっしゃって」
「ええ?」

その言葉を聞いた瞬間ジョンヒョンは自分の耳を疑った。
たまたまその会話を聞いた周りの人々が、不思議そうにジョンヒョンを眺め首をかしげた。当事者のジョンヒョンですら意味不明なのに、他の人はなおさらだ。ルシファーだなんて。

ジョンヒョンはまさかこんな場所でその名を聞くことになるとは思いもよらなかった。ジョンヒョンはすばやく考えた。

彼が知る範囲で「ルシファー」に関連する人物はイ・ジンギ、チェ・ミノ、そしてキム・キボム…その三人だけだった。しかしジョンヒョンはここでその三人の中の誰とも会いたくなかった。
理由もわからぬ不安感がジョンヒョンを締めつけはじめた。いったい何が起こったんだろう。ジョンヒョンは焦る心を隠したまま、できる限り自然に立ち上がった。
ずっと視線を避けるジョンヒョンを不思議に思ったのか、ユミが尋ねた。

「ジョンヒョン、ルシファーって誰?」
「さあ…誰かがふざけてるんでしょう」
「でも、行くの?」
「はい、ちょっと思い当たるふしがあって…すぐ戻ります」
ジョンヒョンの言葉にユミはうなずいた。人々はもう彼から視線を離しデザートに集中していた。幸い特に疑われたような気配はなかった。
だが心臓は早鐘を打っていた。

どうしたんだ。俺が考えすぎてるのか。そうだったら…なんでもなければいいのに。
ジョンヒョンは不安な心ですばやく人々の間をくぐり抜け部屋の外に向かった。―その時。
「きゃあっ…!」
誰かが恐怖に満ちた声で叫んだ。夢中で外を目指していたジョンヒョンは突然の騒がしい雰囲気に驚き振り向いた。

すると視界に入ったのは、サービング中に急に気を失い床に倒れたスタッフだった。
テーブルに座っていた誰もが驚いて立ち上がり、彼女を取り巻いていた。人々の声がこだまするようにジョンヒョンの耳元に響いた。
「大丈夫ですか!?」

「支配人を呼んできて、早く!」

その騒ぎの中、ジョンヒョンは彼女が先ほどルシファーが来たと伝えてくれたスタッフだと気付いた。

ジョンヒョンの顔は青ざめた。これ以上ぐずぐずしている時間はなかった。彼女が失神したのはきっとルシファーという存在に関係しているに違いない。
これという証拠はなかったが、その事実をほぼ本能的に悟ったジョンヒョンは、人々が彼女に気を取られている隙にすばやく部屋を出た。いったい何がどうなってるんだ。
広いレストランの方に飛び出したものの、ジョンヒョンの視界には夕食中の平凡な人々が見えるだけで、不審な人物や変わった点など目に入らなかった。

ジョンヒョンは焦ってどうしていいかわからずあちこち走り回った。数人の人々がジョンヒョンに気付いたらしくささやき声が聞こえたが、ジョンヒョンはそんなことを気にしていられなかった。
どこだ、どこに行けばいいんだ!エレベーターを待つ余裕もなく、階段を駆け降りたジョンヒョンは建物の外に出た。
暗い街並みはネオンで輝いていたが、それに比べて人の気配は少なかった。ジョンヒョンは激しく息をつきながら周りを見回した。

蒸し暑い夏の夜、すぐに全身が汗に濡れた。建物の中と同様に街にも目立った異常は何もなかった。
「どこだ…」
ジョンヒョンは虚しくつぶやいた。こんなことならさっきのスタッフにどこへ行けばいいのかちゃんと聞くべきだった。
考えるより先に行動してしまう浅はかな性格はいつになれば直るんだろう。情けない。ジョンヒョンは顎を伝う汗のしずくを拭いながら、自分自身を責めた。その時だった。
『ジョンヒョン』

「……!」

『ここ…ここだよ』
この声は、明らかに…明らかにキボムだ。

キボムの声。
「キボム…!」

ジョンヒョンは一瞬心臓が凍りつきそうになった。キボムの姿は見えず、耳を通じて普通にキボムの声を聞いてるわけでもなかった。

彼の声が、心臓から始まり体の中で響いていた。ジョンヒョンの顔色は一変した。キボムがこんな方法でジョンヒョンに意思を伝達するのは今回が初めてだ。

ジョンヒョンはキボムがどこにいるのかなんとなくわかった気がした。何か理由があって推測したのではなく、キボムはそこにいるという情報が突然流れ込んできたような感覚だった。

これ以上悩んでいる余裕はなく、この非常事態を無視するつもりもなかった。
ジョンヒョンは今日初めて来た場所にもかかわらず、昔からよく知っているかのように駆けだした。街を歩く人々は怪しそうな目でジョンヒョンを見た。
かなり長く休みもせず走り続け、息も絶え絶えだった。痛くもない足に巻かれた包帯が邪魔だった。

今にも倒れそうなほど足がもつれたが、普通なら疲れてすぐにやめてしまうジョンヒョンでも、今回ばかりは立ち止まれなかった。
『怖い、ジョンヒョン…どこにいるの!』

「キボム…!」

『早く来て、怖いよ、怖い…』
胸の中で、心臓で、頭の中で…全身でキボムの声がずっとこだましていた。キボムは何かに怖がりながら悲しそうに泣いていた。

最近胸が痛いほど落ち付いたキボムが急にまた幼い子供に戻ったように泣く声が、ジョンヒョンを走らせた。不安でたまらなかった。

今ジョンヒョンにできることは、ただ彼の悲しい泣き声を聞くことだけだった。自分の声を伝えられない。
俺はここにいる、いつもお前を心配してる…お前を一人にしてほんとにごめん、言いたいことは溢れるほどあったが、ジョンヒョンは自分の言葉
をキボムに伝えられなかった。

早くキボムに会わないと。
「ううっ…」
ごめん。俺が悪かった。

ジョンヒョンは結局泣いてしまった。汗まみれの顔に涙が混ざった。息が上がって死にそうなのに涙まで込み上げるなんて。
休むことなく走っていたジョンヒョンの両足が徐々に速度を落とした。ジョンヒョンは涙を堪えながら、もう感覚のない足でようやく目的地に近付いた。

賑やかな市内の裏通りの狭い路地には誰もおらず、ただ闇が広がっていた。所々に立つ街灯が道端を照らしているだけだ。ふと水滴が落ちてきた。
ジョンヒョンは手の甲に水滴が流れるのを感じた。雨が降ってきたようだ。
「お前はルシファーの恥だ!」
ジョンヒョンははっきりとその言葉を聞いた。混乱していた頭の中が一瞬で熱くなり、何もかも忘れた。
走り続けてやっと路地の端にたどりついたジョンヒョンは、その光景を目にすると誰が発した言葉なのか気付いた。

その瞬間激しい音とともに恐ろしいほどの稲妻が走った。

夕立の雨足が目に見えるほど強く降り始めた。ジョンヒョンはその雨の間で、目の前で繰り広げられる信じがたい光景を呆然と見つめた。
寒気のするような透明な鎖で体を縛り付けられたキボムが、地面に膝を付いて座っていた。
白金に輝いていた髪の先は恐ろしいほど赤黒く染まっていた。血で染めたような色だった。

しかしジョンヒョンをさらに驚かせたのはそのせいだけではなく、そんなキボムの前に立っている女のためだった。彼女はキボムのような白金ではなく、完全な金髪だった。
ジンギと同様に、人間を一瞬で圧倒するほど威圧的な4枚の翼が堂々と広がっていた。そればかりか、彼女の翼は黒一色ではなく、ところどころに白い羽が輝いていた。
「…ついに現れたか、キム・ジョンヒョン」
そして彼女はキボムに背を向け真っ直ぐジョンヒョンを見た。ジョンヒョンは思わず一歩後ろに下がってしまった。彼女の瞳は髪と同じ金色に光っていた。

キボムやジンギの瞳にはある程度慣れていたが、初めて出会うルシファーの瞳は人間であるジョンヒョンにとってはやはり恐怖を呼び起こした。そんなジョンヒョンを見た女が不敵に笑った。
明らかな嘲笑だった。降りしきる音とともに、雨はますます激しくなった。
「どうしてここがわかった?」

「……」

「ああ、キム・キボム、お前が呼んだのか?」

彼女もまた、たやすくジョンヒョンの思考を読み取った。
「お前ごときが人間の内面に侵入したのか?」

「……」

「その上見習いの分際で人間に助けを求めたな?こんなくだらない人間に!」

「……申し訳、ございません…」

「お前、どうせ死ぬんだろう?キム・ジョンヒョンはもう最後だと考えてる」
では一日くらい先に消滅してもかまわないだろう。女は冷たい顔でキボムを嘲笑った。キボムは再び謝罪の言葉を口にした。

彼らに残された大切な一日という時間をたやすく踏みにじった。ジョンヒョンの鼓動は恐怖を越えた怒りで再び早まった。
雨にまぎれて見えないだけで、キボムは恐怖に震えて泣いていた。ここに駆けつける間ずっと心臓に響いていたキボムの泣き声が耳元でこだました。

その瞬間熱い何かが込み上がり息を止めた。また稲妻が光り雷鳴が響くと、待っていたかのように激しい雨が打ち付けた。女の手がキボムの頬を打ち下ろした。

ああっ…!キボムは音を立てて地面に転がった。キボムがあんなに気に入っていたジョンヒョンのパーカーが雨に濡れ、泥に汚れた。ジョンヒョンはもう我慢できなかった。
「やめろ!やめろー!」

「お前の出る幕ではない」

「お前正式ルシファーか?それがそんなに偉いのか!?12人の人間の命を浅ましく奪い取って生き残ったくせに、何様のつもりでキボムを責めるんだ!」

「…お前、本当に死にたいようだな」
彼女の声に明らかな殺気が見えた。彼女の黄色い瞳と目が合った瞬間、ジョンヒョンは全身が固まったような感覚を感じた。まるでメデューサと向き合っているかのように。

彼女の背後には美しいが恐ろしい4枚の翼が大きく広がっていた。そして、それが少しずつ近付いてきた。ジョンヒョンは目を泳がせた。
なぜ、なぜなんだ。

この女はなぜ俺たちにこんなことをするんだ。なぜ俺たちはこうして何の反抗もできず、ただ無力にやられてばかりいるんだ。
「やめて…!」

俺はキボムのために動かなくちゃいけない…
ジョンヒョンはなぜかその場から一歩も動けなかった。

キボムの悲愴な悲鳴が虚空を裂き、ジョンヒョンが目を閉じた瞬間、凄まじい閃光がジョンヒョンの目の前を横切ると同時に雷鳴とは異なる大きな音が鳴り響いた。

ジョンヒョンは驚いて思わず後ずさり、しゃがみこんでしまった。いったいどうなったんだ。

目を開けて顔を濡らす雨を拭うと、彼の目の前にはここぞという時に必ず現れる…「彼」がいた。
「イ・ジンギ…!」

「やめろ」
女の手を払い落したジンギが低い声で忠告した。再び雷鳴が響き、それと同時にキボムがジンギを呼ぶ声が虚空にこだました。

女は驚いた目でジンギに向き合った。そしてジョンヒョンも驚愕した。

今までジョンヒョンは優しく穏やかな一面から冷酷に怒りを表す姿まで、ジンギの様々な面を見てきたが、今日ほど彼を遠く感じたことはなかった。
キボムが悲しげに彼の名を呼んでも、ジンギは一瞬たりともそちらに目を向けなかった。その姿がジンギをさらに異質な存在に見せていた。
ジンギは、何があってもキボムを無視したことなど一度もなかった。
「ステファニー、醜い真似はやめろ」

「離せ!」

「なぜ君がでしゃばる必要がある?」

「イ・ジンギ、あなたのほうこそ私を責める理由は何?我々がどんなに命を大切に考えてるかわからないの!?私は正式ルシファーで、あの無力な半人前を罰する資格も義務も十分あるわ!」

「ふざけるな、君はただたかが見習いルシファーが君にも手に入らない能力を身に付けたことに嫉妬してるだけだ」

「……」

「それから…」
ジョンヒョンは彼らの会話に割って入ることができなかった。
「僕の心配をしてるんだろう…?ステファニー」

「……」

「僕なら大丈夫だ。…キボムが命をあきらめたことは、完全なる彼の意思だから」

僕たちはそれを望んではいないが、無理に止めることはできない。
ジンギの言葉は淡々としていたが、相当な力で押さえつけられているように聞こえた。
ジンギが彼女の名を呼んだ瞬間、ほんのさっきまですべてを破壊する勢いで迫
っていた彼女は、それ以上何も言わなかった。
ジョンヒョンは二人がどんな関係で、どんな事件に巻き込まれているのか、彼なりに推し測ろうとした。

ジンギの後ろ姿と、彼につかまれたステファニーの腕と翼しか見えなかったが、ジョンヒョンはジンギとずっと目を合わせているような気分だった。
ようやくわかった。ジンギもジョンヒョンと同じくらい―いや、もしかすると彼よりずっとずっと…キム・キボムという存在を失うことを恐れている事実を。

誰にも正直に言えないジンギの心。…彼の本心を。

キボムはまだ鎖に縛られたまま、片時も彼らから目を離せずにいた。
「わかるか?キボムには僕よりキム・ジョンヒョンの存在が大きい」

「…ジンギ」

「そして僕にとっては、まだ今も、君より…」

「……」

「キム・キボムのほうが大事だ。それがすべてだ」
本当にすまない。その言葉は強い雨音にかき消された。彼女の首はうなだれた。長くウェーブする金色の髪が、雨に打たれて揺れていた。

ジンギもただ雨に打たれていた。ジョンヒョンは彼女と同様にうなだれるしかなかた。このすべての出来事に向き合うには、もう力尽きて耐えられそうになかった。

混乱していた頭の中は、長い思考の果てに一つの疑問にたどりついた。
―俺達はこのまま、誰も幸せになれないのだろうか。
何が、どこから、どうやって狂いだしたのだろう。何もかも運命に定められていたのか、それとも俺たちが勝手に運命を捻じ曲げてしまったのか。
俺たちの残酷な物語には、他にもどれくらいの人物が関わっているのだろう。
「ただ彼らを見守ってやってくれ。僕もそうするつもりだ」
…俺は、まだあなたを憎めるだろうか。

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