戦争 切れると光る
nbsp; 入れ替わるまで脱出不能??
かわいい戦争
サイエンス講座もしばらくお休みということで、
ちょっとゆっくりと自堕落生活を楽しんでおります。
お盆の時期ですが、お墓参りは済んでおりますし、
兄が来たら佐呂間の実家に行こうとは思いますが、
この時期に帰らなくても、定期的に帰っておりますので、
そんなに急いでどうこうというわけではないんですね。
そういうことで、しばらくネットの世界におりましたが、
若干疲れてきたので、夜の街をぶらつくことにしました。
大きな本屋さんでぶらぶらして、びっくりドンキーで食べ、
ゲーセンに寄って帰ってきましたが、
実はこんなどこにでもあるお店でぶらぶらすることって、
ちょっと見まわすとちょっとした学問になってしまうんですね。
例えば、スーパーやコンビニなどを思い出してください。
商品棚に商品が陳列されていますよね。
これはただ、物を雑多に置いているわけではなく、
目につきやすい場所、目につきやすい棚にその会社が
売りたい商品が置かれるわけです。
というのは商品棚自体、その顧客の平均的な目の高さに設計されていて、
無理して見ようとしなくても、その棚の商品が見えるようになっているわけです。
さらに言えば、その棚のもっとも目につく位置や場所に主力商品をおくことで、
リラックスして見ていても、自然とその商品が飛び込んで見えるように
なっているってわけなんです。
実はメーカーさんにおいてお店のどの棚に置いてもらえるかというのは
非常に重要なポイントでありまして、メーカーの営業さんは絶えず、
取引のあるお店などをチェックして、棚を確認します。
大きなお店などではメーカーさんに棚を貸して、自身で陳列を考えず、
メーカーの担当者の裁量にゆだねるところもありまして、
どこの棚を取引してくれるかという点で熾烈な営業戦争があるわけです。
つまりメーカーさんの営業というのは自社商品を取引してもらうために
応接室で交渉するだけではなく、現場で売れ筋を確認して、
取引してもらっている棚にどう配列するかということを考えたり、
実際にお店の棚に陳列したりするのも仕事なんですね。
私自身、東京にて割と名前が知られているメーカーに就職していて、
そこの新人研修で営業担当の人と外回りを経験させてもらったことがあります。
外回り実習と聞いて、応接室で名刺交換というのをイメージしていたら、
買い物をするようにスーパーやドラッグストアに行って陳列棚を確認していたので、
営業のイメージが変わったのを思い出します。
私の担当だった先輩が話していたのですが、よく目玉商品などで、お中元セットなど
商品をセット販売している棚があったりしますが、それはメーカーのお偉いさんが
決めるのではなく、その担当者が自分の裁量で自由に決められるそうです。
お偉い人が決めるのはその商品の価格設定の上限、下限であり、
その範囲内でうまくお店と交渉したり、何に何を付けてどの棚に置くか
というレイアウトというのはメーカーの営業の手腕によるものなんですね。
一方で、そのお店自体のレイアウトというのはそのお店の
戦略によって大きく違います。
一般的なスーパー1つをとっても、ちゃんと流れに沿えば、
ほとんどの商品をまんべんなく見ることができるように考えられており、
そこは心理学の出番なんですね。
群集心理において、どこに目が行きやすいかとか、どのルートを
通りやすいかというのは多く研究されていて、その集大成になっているのが
スーパーマーケットだったりするんですね。
さらに言えば、雑多に置いているのが戦略のお店もありますね。
ドン・キホーテがその典型ですが、一見するとめちゃくちゃに置いているように
見えますがそこには群集心理における計算がきちんとされていて、
ちゃんと売りたい商品が目に飛び込んでくるように計算されているんですね。
さらに「ジャングルだ♪」と歌っているように探検するように物を探せるつくりに
なっていて、そこにエンターテイメントのドキドキ感も計算されているわけで、
これほど、レイアウトで群集心理をあおるように計算されているお店も
なかなかないってわけなんですね。
お店のレイアウトだけでもこんなに教材になるわけですが、
普通にバイトや生活するだけでもっともっと生きた教材が手に入ります。
例えば、店員の立場において、この季節にどの商品が売れているかなどを
見るだけで、消費者の今のニーズを知ることができるわけで、
それ自身が将来的に会社などに就職して、営業になったり、
起業したりするようになってから大きな強みになるわけです。
これこそ、経営学になってしまうわけです。
起業するにおいて、ニーズを知ることは大事なことですが、
そのニーズというのはその地域やその場所によって大きく違います。
ポイントとして考えるべきなのは「都会は田舎を求め、田舎は都会を求める」
ということであり、案外そこがつかめていない起業家も多くいますよね。
例えば、北海道などに多いのですが、自然あふれる場所で
自然をテーマにした創作料理店やカフェなどを考える起業家さんも多くいますが、
その多くはお客が来ずつぶれています。
そういう起業家さんは東京などの都会から来た人が多く、
自然あふれる場所にほっとして、その感動をこのお店にこめようとするわけです。
しかし、地元の人から見れば、そこにある風景は日常であり、
その風景をテーマにした料理やエンターテイメントにお金を出そうとは思わないわけです。
観光客を相手にするとしても、観光客というのは一時的なものであり、
安定した収益を得るためには地元民のリピーターが必要なんですね。
自然や田舎をテーマにしたニーズは都会にありまして、
例えば、東京の真ん中に合掌造りの古びた家を建ててその周囲を木々で囲み、
小さな小川や木々を見ながら、古びた囲炉裏で串刺しにしたアユを頬張れる
空間をつくったら、きっと行列ができるでしょうね。
で、店員は粗末な服装の爺さん婆さんで東北なまりで昔話を語ってくれるとか。
メイドカフェならぬ、冥土カフェですね(笑)。
こういうのは都会だからこそニーズがあるのであって、田舎では近所にあるので
お金を出して行こうとは思わないわけです。
一方で田舎で
は都会チックなものがニーズになります。
マクドナルドやドトールやスタバなんて都会では当たり前にあり、日常の風景ですが、
田舎の人にとっては日常を忘れてさせてくれる異空間であり、
そんなものが一店舗でもできたら、田舎でも行列ができます。
イオンが田舎の町に流行っているのもそういう田舎者の心理を巧みに利用していて、
映画館やゲーセンなどを置きながら、総合的な商業施設にすることで
イオンに行けば、都会が味わえるという空気をつくっているんですね。
こんな風に街をぶらつくだけで、消費者の心理やニーズを垣間見ることができ、
それを巧みに利用することでお店というのは成り立っているわけです。
そうやってみると、街にこそ、生きた教材があり、
それを日常だと済ませるのではなく、ちょっと違った目線で見ると、
そこらじゅうに学問があふれているんですね。
それを探してみると、案外いろんなことがわかって面白いですよ。
そんなわけで今日のひとりごとでした。