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大学生なら知っておくべき暗闇の3つの法則

暗闇

不確定性理論では説明しきれない暗闇の謎

「もしもーし、ジェジュンさーん」

冷たい川風を浴びながら夜の遊歩道に立ち尽くしていた。既に切られた通話相手に向かって俺は虚しくひとりゴチる。

「場所教えてませんけど…大丈夫ですかね」

大丈夫な訳がない。こんな広く暗い公園の中で、居所が分からなくてどうやって出会えるというのだ。ふーっと長く息を吐いた。でも直ぐにこの状況が何だかとても面白いものに思えてきて、俺は声を上げて笑ってしまった。

「何なんだよ一体ぃ」

"キレた恋人"へもう一度電話を鳴らしてみる。案の定、彼は出なかった。運転中なのだろう。少ししたらまたこっちから掛けてみればいい。そう思ってさっとスマホをポケットに仕舞った。

「…さむ」

人影も疎らな氷点下の汝矣島漢江公園は穏やかな川音が聞こえるだけで、辺りはとても静かだった。ぐるぐる巻きにしたマフラーに顔を埋める。キャメルのハーフPコートの襟を立て、ニット帽を目深に被った。それでも<短髪>の頭は酷く寒く感じる。ここで人を待つには軽装過ぎだ。近くのカフェにでも入って温まっていようと考えた俺は、左の胸ポケットにあるスマホとは別の四角い膨らみを意識しながら徐に歩き出した。

「…はぁ」

「ちょっと散歩」のつもりで1時間くらい前にここへ来ていた。吐く息が白く凍る。ぼんやりと霞んだ夜空には金色に輝くお月様がちょこんと腰掛けていた。

今夜、俺はキムジェジュンにプロポーズをする。
そう決意して彼の部屋を訪れた筈なのに、見慣れた可愛らしい寝顔を目前に完全に気後れしていた。まるで逃げ出すみたいにマンションを飛び出す。相当カッコ悪い。一体何をやっているんだ俺は。

 ライトアップされた元暁大橋や賑やかに煌めく対岸の街並みが臨める2階建ての店に入った。温かいカフェオレを頼んで窓際の席に腰を下ろす。眼下には公園の青い芝生が広く伸びていて、その先に漢江の川面がきらきらと優雅に揺れていた。落ち着く時間だった。俺はその景色を堪能すると、噛み締める様にゆっくり目を閉じた。瞼の裏に出会った頃の幼いキムジェジュンが浮かんでくる。あどけない笑顔、可愛らしい仕草。そう言えば初めて言葉を交わしたあの日、会って早々俺はあいつを酷く泣かせてしまったっけ。「お前、女みたいだな」なんて意地悪を言ったから。

「ふふふふ」

きっと俺はあの日からずっと彼のことが好きだったんだろう。大袈裟じゃなくキムジェジュンだけを見詰めて生きてきたんだ。2人の歴史が走馬灯の様に頭を巡り出す。悲しすぎる別れもあった。消えて無くなりたくなる程に辛く苦しい想いも経験した。これまで乗り越えてきた沢山の思い出たちが一気に甦り、鼻の奥がツンと痛んだ。珈琲に手を伸ばしそんな感傷的な胸の内を誤魔化す。今泣いてどうする。しっかりしろ、チョンユンホ。

「…ん?」

温くなったカフェオレをひと口飲んでソーサーにカップを下ろした時、視線の先に遊歩道をふらふら歩く小さな人影が見えた。

「嘘だろ」

間違いない。あれはジェジュンだ。白い長袖のTシャツにスウェット地のハーフパンツ。2度見してしまう程の薄着だった。そしてなんとその足には何も履いていなくて、その衝撃に俺は思い切り目を見開いた。

「な、なにやってんだよッ」

ジェジュンは明らかに泣いていた。Tシャツの袖で目元を拭いながら公園を裸足で歩いていた。それは消えてしまいそうに儚く、そして酷く弱々しかった。

「…くっそ」

俺はテーブルの上のマフラーを雑に取って勢いよく席を立ち、直ぐ様 店の出口へと走った。自動扉の開く動作も待てなくて、変なステップを踏みながらその隙間をすり抜けようとした。がその時、丁度店に入ってきた男性客とぶつかりそうになって体勢を崩す。慌てていたせいもあってか、見事にフロアに膝を付いてしまった。

「すみませんッ?」

「大丈夫です、こちらこそ」

「あれ?ユノ?!」

驚く声に視線を上げた。通路に立ち塞がるその人物の顔に照準を合わせれば、それは昔ドラマの撮影でお世話になったテレビ局のベテランディレクターで。

「あ」

「なに、休暇?どうしたこんな所で」

「いえ、ちょっと…ご無沙汰しています」

「1人?偶然だなぁ、時間あるなら付き合いなよ、俺んち近いんだわ」

「え」

「飯は?なんなら他の奴も呼ぶかぁ」

膝を払って立ちあがり、深く深く丁寧にお辞儀をした。こんなにも切羽詰まった状況じゃなかったら、その誘いに喜んで乗っていただろう。でも今は違った。ジェジュンを早く追い掛けたい。ジェジュンを早く抱き締めてやりたい。あの涙から守ってやれるのは、自分だけなのだと自惚れながら。再会にテンションの上がったディレクターの顔を見詰めながら、俺は鳴らないスマホに意識を持っていった。

「すみません、今夜はもう、帰らないと」

「そ?じゃ "出てきたら" 連絡しろよな?4月だっけ」

「はい、必ずします」

「あ、そうそうそう言えばさぁ」

再び頭を下げ、急いでる空気を全面に押し出しても、ディレクターは鈍感に話を続けた。変に邪険に出来ない真面目な己の性格が、もどかしくてもどかしくてどうしようもなかった。何処までも止まらない昔話。もう、限界だ。

「でさぁ、あいつ今、日本に行っててさぁ」

「すみません、ジョンフンさんッ?」

前触れもなく、突然物凄い大声を出して無理矢理彼の話を止めた。俺の奇行にびっくりして目を丸くするディレクター。より頭が真っ白になった。

「ウ…」

「う?」
「ウサギが迷子で」

「へ?」

「だから、もう行きます、ごめんなさいッ?」

焦っていた。もう変に思われてもいい。いや、もう変に思われている。でも何だっていいんだ。俺の中の最優先は、全てキムジェジュンなのだから。

「連絡します、必ずッ?」
社交辞令の挨拶を暴力的にすっ飛ばして店の階段を駆け下りた。走りながらスマホを取り出しリダイヤルを押す。暗がりをクルクル見渡せど、俺はジェジュンを見付けられなかった。
お掛けになった電話番号は現在…』
想定外の応答に脚が止まる。信じられない!何やってんだよお前!そう罵倒してやりたい気分だった。明日はサイン会があると言っていたじゃないか。あのままだと絶対に風邪をひいてしまう。高熱を出すかも。最悪は-

「馬鹿やろッ?」

俺はまた走った。キムジェジュンを見つける為に全力で走った。時偶スレ違うカップルやジョギング中の人に不審に思われながらも、懸命に彼を捜し回った。仕事に対
して真っ直ぐで、真面目で、ストイックで。何よりファンを愛し大切にしているジェジュンが今、暗闇をさ迷っている。もしかしたら今夜、今までずっと張り詰めていたものが急に緩んで、<中>での辛かったことが一気に吹き出してしまったのかも知れない。ああ、傍に居てやれば良かった。彼が目覚めた時「大丈夫だ」と抱き締めてあげるべきだった。激しい後悔が胸を締め付ける。心まで守ってやれなくて何がプロポーズだよ。

「…ッ…ハァ…ハァ…何処だよジェジュン…」

どのくらい走り続けただろうか。もう月が漢江に降り立ちそうな所まで来ていた。冷静になったジェジュンは家に帰ったのだろうか。誰も居ない噴水広場に辿り着いた時、俺は走るのを止めてスマホに手を伸ばした。
お掛けになった電話番号は現在 電波の届かない…
会えない心細さが体を支配し、勝手に溢れてきてしまった涙をコートの袖でごしごし拭った。子供の頃、逸れてしまった母親を泣きながら必死になって捜した記憶とリンクする。30にもなってこんな感情を持つなんてどうかしている。<迷子>なのは、俺の方かも知れない。

「…ジェジュンア」

長方形の大きな人工池を囲む石畳の上をトボトボと歩いた。落ち込んだ心に川風がより冷たく感じる。一度自分の車へ戻ろうか。そう思って来た道を振り向いた時、数十メートル先、国道46号線の通りへ続く石階段の中腹に人がひとり座っているのが見えた。

「…ッ」

一気に溢れ出る涙。俺は下を向いて馬鹿みたいにむせび泣いた。まるで何十年も、何百年も、会いたくて会えなかった恋人に、今やっと再会出来たかの様に、心が震えたんだ。

「ジェジュンアッ…」

何故こんな気持ちになってしまったのか、上手くは説明出来なかった。ただただ本当に心細かっただけなのかも知れない。俺は長く腹の底から息を吐いた。手の平で涙を拭いて両頬をパチパチと叩く。そうしてもう一度ふっと軽く息を吐くと、愛おしい人の元へと歩を進めたんだ。外灯の光が届かないこの場所で月明りだけが遠慮がちにジェジュンを照らしていた。彼は寒さに震えながら膝を抱え俯いている。俺はPコートのボタンをひとつずつ外しながら近付いていった。踏面の広い階段をゆっくり三段昇り、そうして彼の目の前に立った。

「…ジェジュン?」

見付けたよ。やっと見付けた。言いたいことは山程あったけれど、俺は何も言わず、顔を上げない恋人の後ろに回ってそっとコートを肩にかけた。握っていたマフラーを首に巻き、そうして震える黒髪にニット帽も被せた。黙って隣に座り、冷えきった彼の脚を自分の膝の上に乗せる。驚いた大きな瞳が俺を振り向いた。

「…帰ろう、体を温めなくちゃ」

汚れた足の裏を優しくはたく。俺はスニーカーと靴下をも脱いで、それを全てジェジュンの白い足に履かせた。彼は両手で顔を隠し、声を圧しころ して泣いていた。何も言わず、ずっとずっと泣いていた。

「ジェジュンア、帰ろう?」

「…」

「立てる?」

「…ごめんね」

「何で謝るんだよ…心配したけど、ジェジュンを不安にさせたのは俺だから」

「夢を見たんだ」

「夢?」

ジェジュンはゆっくりと顔を上げ、そして遠くを見詰めた。俺は彼の言葉を待った。

「…小さい頃よく見ていた夢、怖い夢、泣いちゃう夢」

そう言いながら顔を歪ませた。

「大人になってからはずっと見ていなかったのに、さっきまた同じ夢を見た」

「…そっか」

「いつも泣いて起きる…でも目覚めたら夢の内容をちゃんとは覚えていないんだ」

ジェジュンは静かに話しを続けながら、そっと俺の肩に凭れ掛かってきた。話したいのだ。最後まで聞いてあげよう。そう素直に思った。

「笑わない?」

「笑わない」

左腕を回し、ジェジュンの肩を抱き寄せる。

「俺はずっと誰かを捜していて、求めていて、でも会えなくて…それで泣くんだ、物凄く泣くんだ」

「…」

「でもそれが誰なのか、今やっと分かった」

「え?」

ジェジュンは体を起こし、俺の顔を悲しそうに見詰めた。肩に回していた手を取って冷たくなった自分の頬に擦り付ける。刹那、その大きな瞳から涙がホロリと零れ落ちた。

「この手に触れられた時、どうしてこんなにも胸が苦しくなるのか……」

震える指先が俺の口許に伸びてくる。

「このほくろが…この唇が…どうして泣きたくなるくらいに愛おしいのか」

「ジェジュン」

「ユノなんだよ…絶対にユノなの、俺が夢の中で捜していたのは、ユノ、なの…俺達が出会う前から、俺はユノを求めてた…出会う前から俺はユノを愛してた…お願い笑わないで…ッ…」

次の瞬間、子供の様に泣きじゃくるジェジュンの体を俺は思い切り抱き締めていた。こんな告白があるか。こんな馬鹿げた告白が。そう思いながらも、俺は本人以上に酷く泣いてしまっていたんだ。

「…ジェジュンア」

「ユノが好き、ユノを愛してる…ッ…傍に居て…ずっと傍に居てよ…どこにも行かないで、死なないで…俺をひとりにしないでッ」

涙で濡れた唇を強引に奪った。俺の何がここまで彼を不安にさせてしまっているのだろうか。深く深く俺はジェジュンの甘い唇を吸った。呼吸が苦しくなる程に、お互いを激しく求めた。「愛してる」の気持ちが、何処までも溢れ出てしまえばいいと。

「ユノ…」

白い肌が紅く染まっている。息を整えながら、俺達は鼻先が触れる距離で暫く見詰めあった。

「…だっこして」

「家に帰ろう?」

「だっこッ?」

「ジェジュンアぁ」

甘え始めた。一度そうなると手の付けようがない。俺は苦笑いをしながらも<いつものジェジュン>に戻ったのだと心底安心していた。わざと大袈裟に溜め息をついて見せ、それから恋人を膝の上に跨がせ向かい合った。急に全てのことが可笑しく思えてきた。俺が笑うと、ジェジュンも口に手を当てクスクス笑い出した。

「凄い告白だったな」

「酷い、笑わないって言ったじゃん」

「嬉しくて笑ってるんだよ…"出会う前から俺はユノを愛してた "、か」

「言わなきゃ良かった」

そう言ってジェジュンは頬を膨らませる。

「負けたよ」

「負けた?」

「あー、こんなロマンティックな言葉、考えて出てくるもんじゃないよなぁ」

「はぁ?」

俺はジェジュンが羽織っているコートの内ポケットにそっと手を伸ばした。そうして中から四角い赤い箱を取り出す。Ca rtierの文字が刻まれた、小さな赤い箱を。

「ユノ?!」

「手、
出して?」

見詰めあった瞳からまた涙が溢れた。恐々、といった感じで恭しく差し出された綺麗な右手の薬指に、俺は愛を込めてwedding ringを嵌める。

「今夜、プロポーズしたかった……けど」

「けど?」

「ジェジュンの凄いプロポーズを受けちゃったからなぁ」

「ふふふふふふ」

「敢えて言うなら、"右に同じ"」

「あはははははッ」

俺はその笑顔に光る涙を指で拭ってあげた。

「ジェジュン、愛してる」

「…うん」

「きっと、幸せになろう」

「うん、なろう…」
凍える程 寒い夜のソウルの片隅で、俺達は未来を堅く誓いあった。そうして「愛してる」のキスを続けながら、お互いの体を温めるように、その愛おしい形を確かめるように、強く強くひとつに重なったんだ。
なぁ、ジェジュン?
俺はこの人生を懸けて君の全てを愛すよ。そして一日でも、ほんの一時間でもジェジュンより長く生きて、君の全てを守って見せるから。
-今度こそ。
【  BAGUE  ~再会~ 】fin.

暗闇をエコロジーのアプローチで考えて何かいいことあるの?

「おぎゃー!」

抱っこしてゆらゆら

「げっぷ」

解決 寝る

「おぎゃー!」

抱っこしてゆらゆら

「ぶっ(おなら)」

解決 寝る

「おぎゃー!」

ちょっとだけおしっこ出てる

オムツ代える

解決 寝る

新生児さんは

呼び出しの頻度がすごいし

大声で泣きますが、

原因が分かりやすく、

解決したらすぐにおさまるので

「何故泣いてるのか分からない」という

精神的負担が少ないです。

それにしても

小刻みに呼ばれます。

ちょっとのおしっこで呼ばれます。

1才さんのときは、もっと溜めがありました。

その代わり1才さんは泣いてる理由がわからず

手探りで暗闇を進むような

永遠のような時間を感じました。

原因が検討つくって

精神的にすごく大きいです。

EMI ツイッター

竜人さんブログ

   

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